ナラティヴ研究会主催者のエッセイとお知らせ


by masanao1956
ナラティヴ研究会のみなさま

吹く風に秋の訪れを感じるようになりました
今年の夏はとても短かったですね

9月のナラティヴ研究会のご連絡を再配信いたします

日時
平成21年9月11日金曜日 18時から

会場
名古屋市立大学看護学部棟 308演習室

レポーター
荒井浩道さん 駒沢大学文学部社会学科社会福祉学専攻

テーマ
「形骸(フレーム)」としての語りーセルフヘルプ・グループ・ナラティヴ・セラピー・ソーシャルワーク


よろしくお願いいたします


山本真実
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# by masanao1956 | 2009-08-25 09:13
ナラティヴ研究会のみなさま

心地よい季節となりました。みなさまいかがお過ごしでしょうか。

次回のナラティヴ研究会についてお知らせいたします。

6月の研究会のお知らせ
日時 6月12日金曜日 19:00〜

場所 名古屋市立大学看護学部棟 401教室  
教室の場所がいつもと違います。4階エレベーター前の教室です。

レポーター 廣瀬幸市さん(愛知教育大学大学院教育学研究科学校教育臨床専攻)

テーマ 仏教とサイコセラピー

↓廣瀬さんより下記のコメントを頂いてます。↓
「仏教」というと宗教イメージで構えてしまうかもしれませんが、
教義など宗派の内容面を論じるのではありませんので、あまり構えずにご参加ください。

以上です

山本真実
  
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# by masanao1956 | 2009-05-19 16:35
桜が咲き始めました.明日から4月ですね.
新年度を迎え,慌ただしい季節ですね.

次回のナラティヴ研究会が近づきましたので,ご連絡いたします.
また発表者の長根山さんからコメントをいただきました.

4月の研究会のご案内

日時 平成21年4月10日(金曜日) 19時から

場所 名古屋市立大学看護学部棟 306演習室(3階奥)

話題提供者 長根山由梨さん(名古屋市立大学文化人類学専攻)

テーマ 「彼氏がうつになったとき―『私はどうする?』という当事者研究」 

以下,長根山さんからのコメントです

4月の研究会で発表させていただくことになりました、長根山由梨と申します。
自分で書いた卒論とはいえ、発表という形でまとまったお話をさせていただくのは初めてで不慣れなものですから、
今回は普段の研究会よりも少し気楽な「茶話会」という形式で取り組んではどうか、という話を野村先生からいただきました。
私の拙い話で恐縮ですが、「彼氏がうつになったとき―『私はどうする?』という当事者研究」という卒論の内容について、
皆さんに理解して楽しんでいただけるよう努力しますので、何卒よろしくお願いいたします。

以上です.
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# by masanao1956 | 2009-03-31 10:06
ナラティヴ研究会の皆様へ

次回の研究会は、平成21年4月10日(金)となりました。

<2月の研究会のご報告>
2月の研究会では、勝又正直先生から、
カント・ドストエフスキー・バフチン-ドストエフスキーの作品理解のために-
というテーマでお話いただきました。
カント哲学のアンチノミー、そしてカントの影響をカラマーゾフの兄弟が受けているという説、
更にドストエフスキーの全作品史を振り返り、内部対話とその展開などについてもお話いただきました。
深く厚い内容のご報告、ありがとうございました。


<次回4月の研究会のご案内>

日時 平成21年4月10日(金曜日) 19時から

場所 名古屋市立大学看護学部棟 306演習室(3階奥)

話題提供者 長根山由梨さん(名古屋市立大学文化人類学専攻)

テーマ 彼氏がうつになったとき-「私はどうする?」

今回は、べテルの当事者研究を範とした彼女の卒論を話題として提供してくださいます。
長根山さんは、ノンルア・ゼミ(野村先生のゼミです。「餌が付いていない」という意味だとか)に所属され、この3月に名古屋市立大学を卒業される方です。
そのため研究発表という形よりは、彼女のユニークな発想と研究経過をお茶のみ話としてする
という雰囲気の中で研究会を行ないたいと思います。
彼女の卒論はべテルの方法論にこだわった質の高いものであり、参加される方々には何かの研究上のヒントになるか思います。

以上です。

(事務局 山本)
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# by masanao1956 | 2009-02-25 12:18
平成21年3月14日に開催されるベイトソン・セミナ(東京)のご案内です。
参加を希望される方は、下記のアドレスに直接ご連絡ください。
(事務局 山本)

**********************
第36回 ブリーフ・セラピー研究会主催定例研究会
テーマ:「ベイトソン・セミナー」
講師:野村直樹
    名古屋市立大学 大学院人間文化研究科
日時:2009年3月14日(土)10:15~17:00
**********************

■ご案内
「20世紀最大の思想家」といわれるグレゴリー・ベイトソンが今日の臨床科学
に及ぼした影響は大きい。生物からヒトの社会まで射程に入れたベイトソンの認識
論をもとに臨床科学はこれまで理論と技法の目覚しい発展を見せた。逆説的介入から
ナラティヴ・セラピーまで、ベイトソンと無縁のできごとはほとんどない。その
理由は、コミュニケーション、学習、生存、変化、客観性など、必ず直面し避けて通れな
いテーマがあるからだ。臨床科学はこれからもベイトソンという豊かな鉱脈から貴
重な資源を掘り当てていくだろう。そういうベイトソンの魅力に再度迫ってみたい。
このセミナーの目的はベイトソンについて物知りになることではない。
課題について対話的思考を経験すること。また、自分という土壌でベイトソンの
認識論(how to think)という種子を植え育ててゆくこと。
したがって、「自分は分かっていないから」と遠慮する必要はまったくない。
進んで参加し手を挙げてもらえればと思っている。

【セミナーの形式】
セミナーの形式は、午前中の講師紹介とレクチャー、午後の討論、ディスカッ
ションで構成されます。午後は参加者の一人が『精神の生態学』の中の論文を一つ選び
ラフなレジメを書き、簡単に発表、話題提供頂きます。それを起点に討論、
ディスカッションを始めます。
 
参加者は全員発表者が決めた論文に前もって目を通すことが求められます。
参加予定の方々と、当日の約1ヶ月前からメールで通信を始めます。
なおレジメの用意をしてもいいという人は応募時にお知らせ下さい。
論文選択の事前の打ち合わせをします。

(*スタッフより:当日使用論文に関して、「精神の生態学」をお持ちでない方
にはPDFファイルなどでご事前に送付いたします。)

■プログラム
午前中10:15~
1.講師自己紹介
2.話題提供 「ベイトソンの魅力」
午後13:45~
3.参加者のレジメ発表
4.ディスカッション
5.参加者からの印象を聞く

■講師:野村直樹

■講師紹介:
名古屋市立大学 大学院人間文化研究科 教授
サンフランシスコ州立大学卒業 コミュニケーション学 M.A.
スタンフォード大学大学院博士過程卒業 文化人類学 Ph.D 

著書
『やさしいベイトソン』(金剛出版, 2008年, 単著)
『ナラティヴと医療』(金剛出版, 2006年, 共編)
『セラピストの物語/物語のセラピスト』(日本評論社, 2003年, 共編)
『ナラティヴ・プラクティス[現代のエスプリ433]』(至文堂、2003年、共編)
H.アンダーソン著 『会話・言語・そして可能性』(野村直樹他訳、金剛出版、2001年)
『ナラティヴ・セラピーの世界』(日本評論社, 1999年, 共著) マクナミー他編 
『ナラティブ・セラピー 社会構成主義の実践』(野口、野村訳、金剛出版、1997年)

■日時:2009年3月14日(土)10:15~17:00(開場:9時45分)
■会場:
ホットプラザはるみ  http://www.chuo-hot.com/
住所:中央区晴海五丁目2番3号
電話:03-3531-8731
■定員:30名
■主催:ブリーフ・セラピー研究会
■参加費:¥4000(税込)
※お申し込み後、折り返し振込口座をご連絡いたします。
お手数ですが事前のご入金をお願い申し上げます。
■参加資格:ブリーフ・セラピー研究会会員
受講されたい方は会員になっていただきます。
年会費3000円/税込(今回新規ご入会の方は2010年6月末日まで会員です)
※2009年度[「ベイトソン・セミナー」以降にご入会いただいた皆様につきましては
2010年6月末日まで会員の権利が継続されます。
■お申込み先: briefcoaching@yahoo.co.jpこちらへ以下の項目をメールにてご連絡下さい。
1.氏名
2.メールアドレス
3. 所属コーチ団体または企業名
4.懇親会参加・不参加(どちらかを削除下さい。)
5.研究会タイトル:ベイトソン・セミナー
(2月の「ダブル・バインド」との混乱回避のため記入下さい)
■主催:ブリーフ・セラピー研究会
■顧問:若島孔文、石黒康夫、吉田克彦
■運営スタッフ:山口博三、谷口祥子、國井あや子、松本承子、細谷博之、大部聡子、村野秀子
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# by masanao1956 | 2009-02-25 12:16
ナラティヴ研究会の皆様へ寒い日が続いていますが、体調をくずすことなくお過ごしでしょうか?

次回の研究会が近づきましたので、詳細をご連絡いたします。

日時:平成21年2月6日(金) 19:00~

場所:名古屋市立大学看護学部棟 306演習室(3階)

レポーター:勝又正直先生

題目:「カント、ドストエフスキー、バフチン 
   ~ゴロソフケルのドフトエフスキー論を起点にして~」

参考文献:
ゴロソフケル著(木下豊房訳)『ドストエフスキーとカント』(みすず書房)

ミハイル・バフチン著(望月哲男・鈴木淳一訳)『ドストエフスキーの詩学』(ちくま学芸文庫)

以下は勝又先生からのコメントです。

「できたらバフチンの『ドストエフスキーの詩学』(ちくま学芸文庫)を読んでおいてください。またドストエフスキーの長編『罪と罰』、『悪霊』、『カラマーゾフの兄弟』のうちどれかを読んできてくださると私のつたない報告でも楽しむことができると思います。」


事務局 山本
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# by masanao1956 | 2009-02-01 09:22

セミナーのお知らせ

ナラティヴ研究会の皆様

“ナラティヴの今を語る”というテーマで開催される
「ナラティヴ科研 土曜セミナー」のお知らせです。
ご覧ください。

山本真実

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日程:2008年10月25日(土)

時間:14:00~17:00

場所:神戸大学発達科学部心理発達論セミナー室A303

講師:野村直樹(名古屋市立大学)藤原みどり(名古屋市立大学)

テーマ:
「D系列の時間
 時間の多声性(ポリフォニー)をもとめて」

時間には4つの声がある。
臨床的応用を地平のかなたに見据えつつ「物語としての時間」にふみこむ。

*どなたでも参加できます。
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# by masanao1956 | 2008-10-15 05:33 | 研究会のお知らせ
ナラティヴ研究会の皆様

肌寒さを感じるようになりました。
皆様いかがお過ごしでしょうか?

次回の研究会は12月5日(金)となりました。

≪10月の研究会のご報告≫
10月の研究会は肥後恵美子さんから、
「Ⅱ型糖尿病患者の食べることの意味の記述~食べることの語りとその解釈~」
をテーマに発表していただきました。
ありがとうございました。

≪12月の研究会のご案内≫
日時:12月5日(金)19:00~
場所:名古屋市立大学看護学部棟 306演習室
レポーター:白木孝二先生(Nagoya Connect & Share)
RDI Program Certified Consultant
認定臨床心理士
内容:RDIに関するお話をしていただく予定です。テーマや内容については後日お知らせします。

RDI(Relationship Development Intervention)
アメリカ、テキサス州ヒューストンのConnections Centerで開発され、注目を集めている新しい療育援助プログラムです。
自閉症児の発達や情報処理の偏りの研究、健常児の発達過程の理論、最新の脳科学の知見を統合した
「どうしたら困難を抱えた子供たちをよりうまく育て、発達させられるか!」をテーマにしたこれまでにないプログラムです。
(Nagoya Connect & Share案内より)

山本真実
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# by masanao1956 | 2008-10-15 05:31 | 研究会のお知らせ
マティアス・マルティネス/ミヒャエル・シェッフェル著
『物語の森へ 物語理論入門』(法政大学出版)
(ナラティヴ研究会での報告)

物語はつぎのABに分けられ、さらにそれは6つに分けられる。
A語られる(架空の)物語世界(筋)
(1)出来事(モチーフ):筋立ての基本単位
(2)事件:出来事が時間的継起の順に並べられたもの。
(3)お話:出来事がさらに因果的関連をもって並べられたもの。
(4)筋の図式:お話の大まかな図式。
B物語ること(呈示)
(5)物語:テキストの中の順番でならべられた出来事。時間順とはちがう構成をもつ。
(6)物語行為:お話の呈示と特定の言語による提示方法と手法(たとえば語りの状況・文体)

呈示の三つの範疇(ジェネットによる)
 時間:物語の時間と事件の時間との関係
 叙法:媒介性の度合いと語られるものの視点設定。
 態(voix声):物語るとい行為。行為は物語る主体と語られるものとの関係、ならびに物語る主体と読者との関係を含む

1時間
物語られるお話の時間と物語の時間との関係は、いかなる順序で、どのくらい長、何度という三つの問いでの意味で体系化できる。
a 配列(いかなる順番で)
錯時法(Anachronie):出来事の順序の時間配列( A B C)が物語の中では変更されていること。
後説法 B A C
先説法 A C B
射程:挿入部が関連する時間と、現時点との間の時間的な距離。
規模:挿入されたお話の長さ
b持続(どのくらい長く)
場面:時間の一致した語り
拡大的語り:時間を引き延ばす語り
縮約:時間を縮約するかたり・要約的語り
省略法:時間の飛躍
休止:事件は静止したまま語りが進行。
c頻度(何度)
単起法(1対1の語り):1度起こったことを1度物語る。
反復的:1度起こったことを繰り返し物語る
括復法的:繰り返し起こったことを1度物語る

2叙法(いかなる媒介性をもって、物語れたものが呈示されるのか)
物語的叙法(距離あり)/演劇的叙法(距離なし)
a1出来事の物語 演劇的叙法→現実性の効果/物語的叙法
a2言葉の物語  演劇的叙法/移調された作中人物の発話/物語的叙法
b焦点化(どの視点から物語れるのか)
1ゼロ焦点化:語り手>作中人物 俯瞰視点 語り手は作中人物より多くを語る。
2内的焦点化:語り手=作中人物 共有視点 語り手は作中人物が知っている以上のことを語らない。
3外的焦点化:語り手<作中人物 外在視点 語り手は作中人物が知っているよりもわずかしか語らない。
複数視点の物語:移ろう内的焦点化・複数の内的焦点化

3態 物語る行為と語り手の人物、語り手と語られたものの関係、語り手と読者・聞き手
「作者は、作り出す、そして語り手は起こったことを物語る。作者は語り手と語り手のものである物語の様式を、作り出す」(サルトル)。
a物語行為の時点(いつ物語られるのか)
物語行為と物語れたものとの時間的隔たりにより、後の/同時的な/先行の語りがある。
b語りの場(どの次元から物語られるのか)
物語世界外的:物語世界の外側から語られる
物語世界内的:物語世界の中の人物が語る。「千夜一夜物語」のシエラザードの語り
 語られる物語はメタ物語世界的
c語り手の事件に対する位置(語り手はどの程度事件に参与しているか)
異質物語世界的(三人称/語り手は物語れた世界の人間ではない)
1参与しない語り手
等質物語世界的(一人称/語り手は物語られた世界の人間
2参与しない観察者
3参与する観察者
4副人物
5主要人物の1人
6中心人物(自己物語世界的)
事実の物語の場合と異なって、虚構の物語の場合には作者と語り手の間の非同一性がある。
作者は考えだし、語り手は、起こったことを物語る。
d物語行為の主体と名宛人(誰が誰に語るのか)
物語世界内的語り手の場合には物語世界内的な聞き手がいる。
物語世界外的な発話状況
「誰が誰に物語るのか」という問いを、作者と読者の歴史的な役割との関連において考察すると、・・・物語論的アプローチを、社会史・文化史的な問題提起と実り多い形で結びつけることができる。

物語の〈何〉 筋と物語られた世界
1 筋の諸要素 
a出来事――事件――お話
出来事は主語と述語からなる。
状況を変化させる/させない=(1)動的な機能/(2)静的な機能
(1a)事件 (「ベニスに死す」からの例:コレラの伝染)
(1b)行為 (例:主人公が腐りかかった果物を食べた)
(2a)状態 (例:蒸し暑さが小路に満ちていた)
(2b)特徴 (例:主人公の特徴)
(3a)結合されたモチーフ(例:アッシェンバッハは苺を食べた)
(3b)孤立したモチーフ(例:アッシェンバッハは背が低めだった)
「1つの主体が、次々に多くの出来事に出会うと、これらの出来事が〈事件〉になる。事件のなかで次々に継起する出来事は、それらが単に(時間的に)〈前後して〉起こるのみならず、ある規則や法則性にしたがって、ある出来事が他の出来事の〈原因となって〉継起する場合にのみ、まとまりのある〈お話〉になる。・・・事件は、提示された変化が動機づけされたものである場合に、お話になる。動機づけは、さまざまな出来事を、説明可能な関係性の中へ組み入れる」。
b動機づけ
(1)因果的動機づけ:ある出来事を因果-結果-関係へ組み込むことによって説明する。
(2)結末からの動機づけ:筋の経過は始めから固定されており、一見偶然と思われるものも、神の摂理や運命であることが判明する。
(3)構成的・審美的動機づけ:後の出来事を、隠喩的・換喩的に想起させるような出来事の配置。
すべての出来事が動機づけされるわけではなく、機能的には余分な細部が、現実性を増す効果を持っている場合がある。
c物語の2重の時間的遠近法(物語における時間の2つの現れ方)
「読者は、叙述された事件を、開かれた現在のこととして〔はらはらどきどきしながら〕、また同時に、閉ざされたもの、過去のもの〔もう終わってしまっているからこうして語られているのだ〕として受け入れるのである。・・・物語テキストは、二つの異なる認識論的な視点、作中人物たちの生活圏的・実践的視点と、語り手の分析的・回顧的視点を併せ持つ。読者にとって物語テキストを理解するとは、この両方の視点を知覚することである。」

2 さまざまに物語られた世界
物語テキストを理解するために、われわれは、読書行為によって物語れた世界の総体を構築する。〔その世界には書かれていないこともふくまれる〕。・・・読者は不断に、物語れた世界を1つの安定した、一貫した全体として構築しようとしている。」
複合的に物語られた世界
(1)等質的世界 対 異質的世界 (例:カフカの「変身」)
(2)単一領域的世界 対 多領域的世界
(3)安定した世界 対 不安的な世界 
幻想文学とは、不気味さ(説明された超自然的なもの)と不思議なもの(受け入れられた超自然的なもの)の間を動揺している文学(トドロフの定義)
(4)可能な世界 対 不可能な世界

3 物語の意味――筋の構造と深層構造
a筋の図式:多くの物語テキストに共通する筋の経過
  中世・近代初頭のドイツ文学で影響力が大きい筋の図式:〈危険な求婚〉
bウラジーミル・プロップの形態学
「プロップは100篇のロシア魔法昔話を調べ上げた結果、これらすべての昔話が1つの共通の抽象的な筋の構造に還元できるという洞察に至った。」
「機能(関数)」:人物が異なっても同じことをしている
31の機能の連続から昔話は成り立っている。
7つの行為項(31の機能をさらに抽象化したもの):敵対者(危害を加える者)、贈与者(伝達者)、助力者、探されている人物、とその父、派遣者、主人公、偽の主人公
cユーリー・M・ロトマンの空間意味論
主人公が世界を二分する空間の境界を越えることから、物語の1つの主題が生まれる。

4展望――文芸学以外の物語理論的な筋のモデル
a社会言語学(日常の語り)
ウィリアム・ラボフとジョシュワ・ワレツキーの60年代のスラム住人の物語態度の研究
物語の最小構造(時間順の出来事が文の連続として同じ順番で語られる)が実際の物語態度は、純粋の形では見いだせない。最小構造は、その完全な形態では、より複雑な構造の中に埋め込まれており、それは、1要約(何が問題になるか)、2定位(どこで誰がいつ)、3紛糾を引き起こす行動「葛藤」、4評価(それがどうした)、5結果・解決、6結末、6つの段階から成り立っている。実際に満足させる物語は、評価なしでは成り立たない。
b認知心理学(スクリプトと感情操作)
コンピューターに人間と同じことをさせる人工知能の研究から始まった認知心理学では、「鉛筆を買ってこい」とコンピューターに命じても、コンピューターが動かないことから、「鉛筆を買う」ということはじつは、どこに行って、何を選び、何を買うか、などの一連の動作を含んでおり、とくに買う場面では、レジに行く、レジの台に品物を置く、お金を置く、おつりと品物を取る、など、言われていないけど当然のこととしていることが「鉛筆を買う」ということのなかに台本(スクリプト)として含まれており、それをコンピューターに覚え込ませなくては、鉛筆を買うことができないということが明らになった。このように、明示されていなくても当然の前提としてその命令遂行の場面に含まれているような一連の動作や知識をスクリプトと呼ぶ。これと同様に、テキストの表層のさけがたい空白部分も同じように読者によって埋められているのである。
一定の物語図式には、読者側の一定の感情的反抗が関連している。この感情構造には(1)不意打ち、(2)緊張、(3)好奇心
c人類学(探索の筋のモデル)
プロップの31の機能にみられる円環的な筋の図式(家郷からの出発、異国で課題を果たすこと、帰還)は、食物探求の実践的・生物学的必然性からもたらされたものである。
d歴史学(「プロット化)による説明)
単なる年代記から歴史を分かつのは、歴史が次の説明をもっているから。
(1)プロット化による説明
(2)形式的な結論づけによる説明
(3)イデオロギーてきな含みによる説明
語られた物語の種類を特定することによって、ある物語の「意味」を規定することをプロット化による説明と呼ぶ。
物語の種類(ノースロップ・フライによる)
(1)ロマンス:救済物語 障害を克服し、経験世界から自らを解放する主人公の自己発見を描く
(2)風刺(茶番):不利な状況、邪悪な力、死、による主人公の避けがたい敗北を描く
(3)喜劇:敵対する力との融和と周囲の世界に対する主人公の一時的勝利
(4)悲劇:主人公の破滅の犠牲を払ってのみ得られる葛藤の解決
史料的テキストを物語る話を理解するとは、それをある元型的な筋の図式(プロット)の下に包括することである。
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# by masanao1956 | 2008-03-20 22:30 | 物語
ナラティヴ研究会の皆様


朝夕の寒さと昼間の暑さが心地よい秋を感じさせてくれますが
皆様はいかがお過ごしでしょうか?


さて,
<10月研究会のご報告> 
 
 10月は古屋医師が出演されていました
 NHK山梨「自分らしく生きたいーある医師と患者の日々ー」を上映し、
 様々な感想を交換しました。

 語ることによって継続されている医療がそこにはあったように思います。
 古屋医師もご自身の経験を語る。患者も自分の人生や生き方を語る。
 各々が誰かに語ることでつながっている僻地医療があるという印象でした。
 

<11月研究会日程のご案内>

 11月24日金曜 19:00~ 306号室(名古屋市立大看護学科棟)

 
<11月研究会の内容>

 勝又正直先生が、次の章をレポートしてくださいます。

 鈴木晶 著 『グリム童話 メルヘンの深層』「第2章メルヘン学入門」
 この著書は、http://www.shosbar.com/grimm/grimm0.html
 からダウンロードできますので、各自で取り寄せてください。


また、12月研究会の日程がすでに決まっていますので、あわせてご連絡をさせてい ただきます

 <12月研究会開催日>
 12月8日 金曜 19:00-
 
  内容の詳細につきましては、後日、お知らせをさせていただきますが
  医療とナラティヴに関するをご研究されていらっしゃる方のレポートを予定して います。

☆なお添付しましたファイルは、研究会の案内を別ファイルで作成したものです。
 試作です。次回研究会の折に、感想や意見などを伺えますと幸いです。

皆さま,来月もどうぞ,ご参加をおまちしております。
原沢優子
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
 *メール停止・発信希望等のご要望は
  原沢優子 dumal@gifu-cn.ac.jpまでご連絡下さい。
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# by masanao1956 | 2006-10-24 20:41 | 研究会のお知らせ